#113 消しゴムから配管まで、凄いぞ塩ビ!
#113 00:16:36

#113 消しゴムから配管まで、凄いぞ塩ビ!

消しゴムと水道管、実は同じ塩ビです!世界第3位の需要を誇る塩化ビニル樹脂を紹介しました。

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塩ビとは?その多様な用途と硬さの秘密

こんにちはかねまるです。 プラントライフは、化学プラントの技術者が、化学を軸に皆さんの視野を広げていく番組です。

今回は塩ビの話をします。 聞いたことありますかね?

プラスチックの一つ、ポリ塩化ビニルを取り上げます。

有名なのは水道管、つまり塩ビ管ですね。 実は消しゴムも塩ビです。

電線の外側の被覆にも塩ビが使われています。 今や懐かしいレコードも塩ビでした。

そして今上げたもの、硬さがバラバラじゃないでしょうか。 硬いパイプからプニプニの消しゴムまで、全部同じ塩化ビニル樹脂なのに硬さが違うんですよね。

どうやって硬さを変えているのか。 いろんなところで使われる塩ビの話を今回はしていきます。

ビニル基の化学的特徴

まず塩ビって何なのかっていうのを簡単に化学の視点から話してみます。

ビニールってよく言いますよね。 このビニール。

化学で言うとビニールってよく言いますけど、 このビニールっていう化学構造が実はあるんです。

こういう結合をしていたらビニール基って呼びましょうっていう感じです。

化学の世界では結合の形によってグループ分けをしてたりして、それを置換基って呼びます。

爆発しそうなニトロ基とか、酸味のあるカルボン酸とか、そういうものがありまして、

今回はビニール基と呼ばれるものを扱います。

このビニール基。プラスチックで使うこのビニール基。

あらゆるプラスチックを作るための大事な骨格になっています。

プラスチックっていうのは、ちっちゃいサイズの化学物質を連続的につなげて、一つの長い分子に仕上げたものです。

今回取り上げるビニール基という化学的な基本骨格っていうのは、長い結合を作るのにすごく適した形をしています。

専門的に言うと二重結合を一つ持っておりまして、この二重結合が開いて、単結合を連続的に作っていくとプラスチックができていきます。

イメージは二重結合を作っている最初が腕組みしているような感じで、プラスチックの合成が始まると、

腕組みをやめて、両手を広げて、隣同士の分子で手をつないで長くなっていくようなイメージです。

こうやって長い結合を作りやすいビニール基なんですけど、もう一個いいところがあって、化学的な機能を持たせやすいっていうことなんです。

ビニール基っていうのはすごくちっちゃい形をしてるんですけど、そのちっちゃいサイズの中にプラスチックとして長く結合する部分と機能を持たせる部分、その2つを兼ね備えています。

機能を持たせる部分の種類を変えていくと様々なプラスチックを作ることができます。

塩ビの化学構造と世界での位置付け

ここでビニール基を基本骨格としているプラスチックをいくつか紹介します。

袋とか容器に使われるポリエチレンやポリプロピレン、発泡スチロールのポリスチレン、水族館のガラスでも使われるポリメタクリル酸メチル、

そして今回主役になるポリ塩化ビニールもそうです。

ビニール基を持っています。

名前からイメージできますかね。

ポリ塩化ビニールのポリはたくさんつながっているという意味なので、これはプラスチックを表します。

あとは塩化ビニールのところ。

ビニールはビニール基を持っているということです。

そして機能を持たせているのは塩化のところ。

塩素原子がつながっています。

化学的な話をするとビニール基はエチレンに構造がすごく近くて

エチレンの水素1個が塩素に置き換わったのが塩化ビニールです。

塩ビはプラスチックの中でも相当使われている部類に入りまして、世界第3位。

1番がポリエチレン、2番がポリプロピレン。

容器や袋でたくさん使われていますからね。

そして第3位がポリ塩化ビニール、塩ビです。

冒頭で話しました通り塩ビ管とか消しゴムとか電線とか、かなりコアな部分でいろいろ使われています。

しかもいろんな硬さで。

可塑剤による硬さの調整

ここから少しずつ深掘りしていきましょう。

まずですね、塩ビっていうのはそもそも硬くて脆いものなんです。

理由は塩素です。

そもそもの化学構造の中に入ってある塩素原子が悪さをしています。

化学的に塩素原子が結合していることで、分子一つで見たときに電気的な偏りが生じるんです。

プラスに偏った方とマイナスに偏った方が存在します。

この極性のおかげで分子同士が引き合ってがっちり集まってしまうんです。

そこで使われるのが可塑剤と呼ばれるものです。

柔らかくするものと考えていただいて良いのですが、

極性のおかげでがちがちに集まった分子たちの間に可塑剤が入り込んで分子同士の接近を妨げるようになります。

そうすると分子同士が自由に動けて柔らかくなってきます。

可塑剤をたくさん入れるほど柔らかくなってきます。

水道管と消しゴムが同じ素材になっている理由はここです。

可塑剤の量が違うんですね。

塩ビを調べてみると軟質塩ビと硬質塩ビって柔らかいのと硬いのがあるって書いてあります。

これは可塑剤の量によって柔らかさが変わっているっていうことなんですよね。

可塑剤のおかげでいろんなところで塩ビが使えるようになりました。

あとは用途に合わせて硬さを調節して、少し機能を変えるために添加剤を入れて様々な塩ビ製品が生まれてきます。

塩ビ製品の具体例と関連素材

例えば消しゴムには塩ビと可塑剤だけじゃなくて炭酸カルシウムが入っています。

鉛筆で書いた文字、黒鉛の部分を集めながらちぎれていく作用を付与できます。

一つだけ注意点がありまして、サランラップとかクレラップ、あれも塩素系ではあるんですけど、

いわゆる塩ビとは違いまして、ポリ塩化ビニリデンっていうまた別のプラスチックです。

化学構造としては塩素が1個多いポリ塩化ビニリデン。

それのおかげで結晶性が増したり密度が高くなったりしてガスバリア性能が高くなっています。

水蒸気とか酸素を通しにくくなっていて、まさにラップ向きなプラスチックです。

塩ビの利点:原料と自己消火性

最後に塩ビの良いところ、悪いところを話します。

多くのプラスチックが石油由来として嫌われている存在ではありますけど、塩ビはちょっと違いまして、

だいたい6割くらいは食塩、塩に由来しています。

残り4割くらいが石油に由来しています。エチレンです。

そもそも塩素っていうのは塩から作っています。

工業的には塩を電気分解して塩素を手に入れます。

それと一緒に苛性ソーダも手に入ります。

苛性ソーダは水酸化ナトリウムのことですね。

こうした塩を電気分解して作る産業をクロールアルカリって言うんですけど、電気分解で作る特性上、苛性ソーダと塩素のできる割合が決まっています。

安定して塩素が手に入れられるのがこの食塩の電気分解です。

もちろん作る過程ですごく電気は使うものの、原材料自体に石油由来のものが少ないっていうのが特徴的です。

そしてもう一つ塩ビは自己消火性っていうのを持っておりまして、化学構造の中に塩素が入っていることで燃えにくい特徴を示します。

もし着火してしまったとしても火元を遠ざければ次第に火が消えていきます。

この特徴は塩ビならではですね。

塩ビの欠点:熱、溶出、ダイオキシン

ただし良い面もあれば悪い面もあります。

塩ビはやっぱり熱に弱いんですよね。

例えば配管として塩ビ管を使ったとしても用途としては水に使うのが多いですかね。水道管です。

化学プラントで塩ビ管を使おうと思っても用途が限られていて、ほとんど鉄とかステンレスの配管になってしまいます。

そしてもう一つ、もともと硬い塩ビに可塑剤を入れて作り上げるっていう作り方なので、次第に可塑剤が溶け出してくる場合があります。

多くの方が経験しているであろうあの現象。

プラスチックの下敷きや定規の上に消しゴムを置いてくっついたりしたことないでしょうか。

あれです。可塑剤が溶け出してプラスチック同士がくっついちゃってるんです。

もともと柔らかくないっていうところが塩ビのデメリットです。

消しゴムと下敷きみたいに相手方にダメージを与えちゃったりとか、

次第に可塑剤が抜けていって硬さが変わっていっちゃったりしたりとか、そういった悪い点があります。

最後もう一つ、塩素原子を化学構造の中に持っているので、燃やすとダイオキシンが出る可能性があります。

可能性があると言っているだけで、基本的に現在の焼却設備の焼却温度だと特にダイオキシンは出ないように設計されています。

ただ低めの温度で燃やしちゃうとダイオキシンが出るリスクがある、そういう物質であるっていうのは知っててもいいかもしれません。

まとめと番組情報

特別に騒ぐ必要もありません。

今回はいろんなところで使われる塩ビの話をしてみました。

皆さんの身近なところで相当使われていますし、世界第3位の需要を誇っていますので、意外なところでも使われているかもしれません。

お子さんがいらっしゃる方は、消しゴムと下敷きがくっついてしまう原理、説明してあげてみてください。

可塑剤が入っているんだよとか、実はもともとカチカチのものを柔らかくしているんだよとか、そういう話から興味を持ってくれる子どもが増えるかもしれません。

今回はここまでです。

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各エピソードをまとめたページを載せているのはもちろんなんですけど、

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まずは、湿度100%って何が100%なの?っていう記事を公開しました。

ホームページの方は今後も強化していく予定なので、ぜひ見てみてください。

それではお聞きいただきありがとうございました。