#89 クエン酸とか重曹って便利だよね!~掃除の化学~
掃除って化学ですよね!身近なクエン酸や重曹のはたらきについて話してみました。🎪リアルイベントのお知らせPODCASTMIXER 2.0
参考資料
- PODCASTMIXER 2.0 https://podcastmixer.jp/
- 掃除・洗濯の知識講座(1):「アルカリ性汚れを酸で中和」は間違いです① ~炭酸カルシウムの水垢汚れ~ https://www.detergent.jp/kouza01/clean01.pdf
- クエン酸によるカルシウム系汚れの洗浄に関する消費者情報の実験的検証 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/70/10/70_643/_pdf/-char/ja
- 重曹でお掃除」の化学(その2) https://www.chem-station.com/blog/2012/03/post-360.html
- 表面皮質について https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2835894/
文字起こし
はじめに:お掃除の化学への招待
こんにちは、かねまるです。 プラントライフは、化学プラントの技術者が、化学を軸に、皆さんの視野を広げていく番組です。
今回は、お掃除の話。 ヒロヒロイさんからお便りをいただきましたので、まずは読ませていただきます。
掃除って化学ですよね。 例えば、電気ケトルや加湿器に付着する白い汚れは、クエン酸で落ちるんですが、あれってどういう仕組みなんですかね。
塩素系で落ちる汚れ、酸性で落ちる汚れとか、知っているけどどういう仕組みなんでしょうね。というお便りをいただきました。
ヒロヒロイさん、いつもありがとうございます。
ということで今回は、掃除の化学,特にクエン酸と重曹についてお話をしようと思います。
クエン酸の働きと水垢の正体
洗剤以外で使うお掃除道具の二大巨頭みたいな感じですよね。
私もレンジフードのカバーを重曹で掃除したりしてました。
身近で意外と知っているけど、詳しくは知らない掃除の化学。
行ってみましょう。まずはクエン酸の話から行きます。
電気ケトルや加湿器の白い汚れに効いてくるんですけど、
もともとこの白い汚れの正体は、水道水のカルシウムとかマグネシウムですね。
それに由来したミネラル分が固まったものなんです。
水垢とも言いますね。
この水道水に含まれるマグネシウムとかカルシウムが、
どういう化学的な構造になっているかをまず考えてみましょう。
最初は水道水に含まれているので、カルシウムイオンやマグネシウムイオンとして存在します。
そしてもう一つ、水の中には二酸化炭素が溶け込んで、炭酸水素イオンというものになっています。
水道水が蒸発していって、最終的には炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムとして出てきます。
これが水垢です。
主成分は炭酸カルシウムの方です。
この炭酸カルシウムをクエン酸の力でまたイオンに戻して水に溶けるようにしてあげます。
まずクエン酸の酸の成分が炭酸カルシウムと反応します。
そうすると炭酸カルシウムは溶けてイオンになって、水とともに洗い流せるようになるわけなんですけど、
反応後に出てくるクエン酸カルシウムというのが少々厄介でして、
そもそもこのクエン酸カルシウムというのが水に溶けづらいんですよね。
どれくらいかっていうのは溶解度という指標で表せるんですけど、
最初に溶けた段階から時間が経つとまた結晶として出てきてしまうんです。
調べた限りクエン酸カルシウムが一発で出てくるような反応じゃなかったんですけど、
結局のところ水垢をクエン酸で綺麗に洗い流せるっていうのは間違ってはないんですけど、
その洗い流す作業を忘れてクエン酸をつけただけで置いてたら、また結晶として出てきてしまうみたいですね。
だからクエン酸で水垢を掃除したときはすぐに洗い流すようにしてください。
ちなみに水垢は酸で溶けやすくなるっていうことなので、お酢でも大丈夫です。
お酢の中には酢酸というまたクエン酸とは別の酸が4、5%入っているので、それで溶かして洗い流すこともできます。
実は酢酸カルシウムにした方が水に溶けやすいんです。
溶解度が高いんですよね。
でも個人的にはクエン酸の方が実用面では向いてるかなって思ってまして、
酢酸もクエン酸もどちらも酸が強すぎず弱すぎず、そして安くて使いやすいんですけど、
クエン酸の方はお酢みたいな強い匂いがなくて、なおかつ固体の粉末なので管理がしやすいですね。
たくさん持っておくこともできますので、濃さも調整しやすいです。
重曹の二つの力:物理と化学
次は重曹の話をしましょう。
化学的に言うと炭酸水素ナトリウム、NaHCO3というものです。
まず皮脂とか油汚れっていうのは、なんとなくイメージする通り水には溶けにくいものです。
だから最初に重曹がどんな役割をするかというと、化学的なところじゃなくて物理的に落としてたりするんですよね。
重曹っていうのは比較的硬い粒子になっておりまして、
金属よりは硬くないけど、皮脂とか油汚れを落とすぐらいはちょっと硬い研磨剤みたいになっています。
この硬さを生かして重曹がまず皮脂とか油汚れを物理的に剥ぎ取ってくれるんです。
そしてもう一つ化学的なところで、重曹っていうのは炭酸水素ナトリウムなので、弱アルカリ性です。
この弱アルカリが大きく2種類の方法で石鹸を作ります。
一つが油の中に入っている脂肪酸と反応して石鹸ができます。
もう一つは油脂とか脂肪と呼ばれる主成分をアルカリで加水分解することで石鹸が得られます。
方向科学だと、けん化という処理になりますね。
実のところ、脂肪酸から石鹸を作る方法と、油脂や脂肪を加水分解して石鹸を作る方法もそれほどたくさん石鹸ができるわけじゃないんですよね。
脂肪酸は主成分ではなくて量が少ないですし、加水分解する脂肪や油脂っていうのは強アルカリじゃないとけん化って起きないんです。
掃除に使う重曹は弱アルカリですので、そもそもけん化自体が起きにくいんですよね。
ここまでの話をまとめますと、重曹っていうのはまず物理的に油汚れを削り出して、その油汚れと一部反応して石鹸ができます。
その出来上がった石鹸が残りの油汚れを洗い流してくれるっていう流れなんです。
そもそも石鹸になるんだったら、石鹸使えばいいじゃんってなるわけなんですね。
だから重曹を使う意味っていうのは、化学じゃなくて物理の最初の削り出すような研磨的な役割の方が大きかったんです。
化学的に油汚れを取り除こうとしたら、強アルカリがあった方がいいんですけど、手が荒れちゃうのであまりお勧めはしないです。
だからこそ弱アルカリの重曹で安全に安心して油汚れを取り除けるっていうのはすごくいいものですね。
身近な洗剤の安全性と種類
今回掃除用の物質としてクエン酸と重曹を取り上げたわけなんですけど、どちらも食品に使われるものですね。
だから誤って飲み込んでしまっても比較的安全だっていうことが評価できるポイントです。
おそらく掃除用のものは食品添加のものではないはずなので、不用意に口に入れたりはしないでください。
そして掃除用に使うものとして、あとは塩素系なものとか酸素系なものがありますね。
これらは先ほどのクエン酸とか重曹と違って強い酸性を持っています。
漂白の時もそうですけど、色素とかカビとか臭いの成分を酸化して分解するような強い役割を持っています。
これはもちろん口に入れたりとか触ったりしてはいけません。
まとめとイベント告知
今回は重曹とクエン酸に焦点を当てて、掃除の化学について話しました。
実は私、この仕組みって詳しく知らなくて、単純に中和ぐらいかなって思ってたんですけど、意外と奥が深くてですね。
そもそも中和じゃないんだっていうところも知りましたし、身近なことでもちゃんと調べてから言わないと間違ったこと言うなって感じました。
今回みたいにもし何かわからないことがあったらいつでも連絡してきてください。
XのDMとかお便りフォームからでも構いません。いつでもお待ちしております。
配信は毎週水曜日と日曜日の朝6時を予定しておりまして、結構配信できますのでトークテーマをいつでも募集しています。
そしてもしよろしければ感想を送っていただくとか、Xでハッシュタグプラントライフをつけて発信してもらえるとすごく嬉しくて励みになります。よろしくお願いします。
そして最後にリアルイベントのお知らせです。
5月16日土曜日、兵庫県の神戸市カフェアイドルチェにてPodcast Mixer 2.0に参加します。
このイベントはPodcasterとリスナーさんが交流することをコンセプトに設計されておりまして、
Podcaster同士が話しするのはもちろんなんですけど、途中でミキサータイムというもうフリー枠みたいなところが作られたりとか、
Podcasterの専門性を生かした体験ブースがあったりと、面白いイベントになっています。
単純に聞くだけじゃないというのが面白いところです。
そしてこのイベント、兵庫県神戸市で行われていますので、あまりない関西での開催です。
今まで東京、関東で行われていたからイベント行きづらかったなって方は是非考えてみてください。
5月16日土曜日、オープンが11時、終わりが16時の予定です。
チケットは事前販売になっておりまして、体験クーポンの1000円を含めて3000円です。
ちょっと本音で話しますと、出演番組さんかなり有名で大きい番組が多くてですね、
私の番組比較的ちっちゃい方なので、
一人でも自分の番組のために来てくれる人がいるんだっていうのをリアルで体験できるとめちゃめちゃ嬉しいです。
もしよろしければ遊びに来てください。
それではお聞きいただきありがとうございました。



