炭を使った脱臭剤を置くと、においが取れます。黒い炭が、空気中のにおいにどう働くのですか?

活性炭の細かな穴に広がる表面が、においの成分を吸着するからです。

穴の内側も、吸着する表面

脱臭剤に使われる活性炭には、細孔と呼ばれる小さな穴が無数にあります。穴の内側の壁まで数えると、小さな粒にも広い表面があるのです。

活性炭の内部に大きさの異なる穴があることを示した模式図
においの成分が付く表面は、粒の外側だけでなく穴の内側にも広がる

においの成分の分子が、この表面に引き寄せられて付くことを吸着といいます。空気中からにおいの成分を取り除く、活性炭の基本的な働きです。

ただし、成分によって吸着されやすさは違います。取り込める量にも限りがあり、使い続けて吸着の余地が少なくなると、脱臭する力が落ちていきます。

化学工学では、接触のさせ方を考える

工場の脱臭装置にも、活性炭を詰めた層に、においを含む空気を通す方式があります。ここで大切なのは、除きたい成分に合った活性炭を選び、空気と十分に接触させることです。

空気の通りやすさも考える必要があります。活性炭の詰め方は、空気を通すときの圧力損失にも関わるためです。

表面に付く性質を知るだけでなく、装置の中でどう接触させるかを決める。身近な脱臭剤の吸着を、工場で使える分離操作にするのが化学工学の役割です。

まとめ

活性炭の脱臭は、細かな穴の内側に広がる表面への吸着を利用しています。工場では、成分に合う活性炭と空気の通し方を選び、においを取り除きます。