雨のあと、川の水が茶色く濁っていることがあります。浄水場では、こうした水からどうやって濁りを取り除いているのですか?

細かな濁りの粒を大きなかたまりにして、沈みやすくしています。

小さな粒を集めて、沈める

川の水の濁りは、水中を漂う小さな粒によるものです。大きな粒は沈んでも、ごく小さな粒は沈みにくく、そのまま待つだけでは取り除けません。

濁りの粒は、通常マイナスの電気を帯びていて、互いに反発しているのです。そこで浄水場では、ポリ塩化アルミニウムという薬品を加えます。略してPAC(パック)と呼ばれる、凝集剤の一つです。

PACが粒の表面に付くと、電気的な反発が弱まり、粒どうしが集まれるようになります。かき混ぜて粒をぶつけると、フロックと呼ばれるかたまりに育ちます。

マイナスに帯電した濁りの粒にPACが働き、かたまりとなって沈む模式図
粒を集めて大きくすると、水から分けやすくなる

小さな粒を集める操作が凝集です。大きくなったフロックは沈みやすくなるので、底へ沈めて上澄みの水と分けます。これが沈降を利用した分離です。

上澄みには、まだ細かい濁りが残ります。浄水場では、さらに砂の層を通して取り除き、消毒なども行って水道水にします。

化学工学では、凝集の条件を決める

工場の排水処理でも、凝集させて沈める方法を使います。凝集剤は、水に混ざっている粒の性質や量に合わせて選ぶものです。

薬品を加える量に加え、かき混ぜる強さと時間、水のpHも調整します。混ぜ方が強すぎても弱すぎても、分けやすいフロックには育たないのです。

そのため、まずビーカーで条件を比べ、実際の装置で確かめます。粒を沈める前に、沈みやすい粒を作る工程まで含めて考えるのです。

まとめ

細かな濁りの粒は、凝集剤とかき混ぜる操作で大きくすると、沈めて分けやすくなります。浄水場でも工場でも、粒の性質に合わせた凝集と沈降が、水をきれいにする工程を支えています。