酢と油を混ぜても、しばらく置くと2層に分かれます。同じ材料を含むマヨネーズが、混ざった状態を保てるのはなぜですか?

油を細かい粒に分け、卵黄に含まれる成分が粒どうしの合体を防いでいるからです。

小さく分けた油滴を、そのまま保つ

マヨネーズの中では、酢などの水分の中に、細かい油の粒が散らばっています。このように、溶け合わない液体の一方を細かい粒にして、もう一方に分散させる操作が乳化です。

油が水に溶けたわけではありません。目に見えないほど小さな油滴になって、広がっているのです。

そこで働くのが、卵黄に含まれるレシチンなどの乳化に役立つ成分です。レシチンには水になじむ部分と油になじむ部分があり、油滴と水の境目に集まります。

水に分散した油滴の周囲に界面活性剤が並び、油滴どうしが合体しにくくなる模式図
油と水の境目を覆い、細かい油滴を保つ

油滴を覆う成分が、粒どうしの合体を防ぎます。マヨネーズが分離しにくいのは、この細かな粒の状態が保たれているためです。

ただし、いつまでも、どんな条件でも保てるわけではありません。凍るような低温では油が分離することがあるため、保存は製品の表示に従います。

化学工学では、粒を作る操作と保つ働きを組み合わせる

乳化剤を加えるだけでは、大きな油のかたまりを細かい粒にできません。水と油をかき混ぜ、油滴を小さくする操作も必要です。

工場では、例えばホモミキサーという装置を使います。高速で回る羽根と、その周りの固定された部分が、液体に強いずれや衝撃を与えるしくみです。

固定された筒の内側で羽根が高速回転し、液体をかき混ぜるホモミキサーの模式図
羽根の回転で液体に力を加え、細かい液滴を作る

撹拌で油滴を細かくし、乳化剤で再び合体しにくくします。この両方をそろえて、混ざった状態を保つのです。

油滴の細かさは食感にも関わります。マヨネーズの製造では、油滴を細かくそろえることが、なめらかな舌触りにつながっています。

まとめ

マヨネーズは、細かく分けた油滴を、卵黄の成分が守ることで分離しにくくなっています。工場の乳化も、粒を作る撹拌と、その粒を保つ成分の働きを組み合わせた操作です。